純生CHRONICLE3

リネ2クラシック グランカインに漂う ひとつまみの浮き草たち 【2020年8月31日 完結】

純生、二次職最後の夏

ワタシはいつも、
沈思黙考に耽るとき、なぜかこの丘に駆け上がっている。
村の炊煙をぼーっと眺めながら、
今日も変わらずに漂う白雲をいつまでも眺めながら・・・












2019年8月16日(金) AM10:49
それは唐突にやってきた。


いや、気づくのが遅れただけのことなのだが。













何を憚ることなく無邪気に75レイドに参加してしまったが、そうだった。
もう一つLvを上げたら、ついにワタシもLv76。

3次職になるときが来てしまうのだった・・・


あのワタシが・・・ あの"おふざけ"の純生さんが・・・ 3次とはな。



ふう。
ここで寸止めがかかったのは天啓と言うべきだろう。



あと0.1%。
あとほんの少しをどう獲得するか、あるいは死に下げでもして一旦身を引くか、それは自分で決めろということなのだろう。


いや、グラディエーターに「引き」はない。
もう、どうあっても、ただただ前に進むだけ。前に進むことで運命を獲得する。
それがグラという生き方だ。それはもう、旧ライブ時代の頃から決めている。



進むのだ。あとたったの0.1%。
サイレントバレーあたりであればほんの数分で稼げるだろう。


往くぞ、純生。
2006年に始めて2009年に去り、そして2018年にまた帰ってきた。
10余年に渡る悲願だった「3次」への初めての扉は、その手でノックするのだ!









コウテン!
長らくワタシを支えてくれて恩に着る。
これまでも、これからも頼りにしている存在であるのは変わらない!
いつものように、そしていつも以上の力をワタシに与えてくれ・・・!



「ああ、もちろんだ。断る理由はない。」













「純生さま!」
「純生殿!」



「是非わたくし達もお供させてください・・・!」
「我らの武芸は、このときのために鍛え上げてきたもの也!」









お前たち・・・!
行ってくれるというのか・・・
ああ、是非立ち会ってくれ。
この不肖の主の晴れ舞台。目に焼き付けてくれ!





よし、
往くぞ!



サイレントバレーへ!!

























(ついに・・・ ついにこの時が来たのか。
侍り続けて1年半。
もう・・・ いろいろあり過ぎて、思い出せないさ。







遠回りばっかりしてきやがって。
無茶ばかりで何度も全滅させやがって。



・・・ああ、それが心地よかったから、俺はいまだここにいるのさ。


純生よ。いつもどおりの強化魔法、食らうがいいさ。
追尾バフ野郎の魂魄をかけて、お前に素敵魔法を叩き込んでやるさ・・・!)
















~   ~   ~









時は来たれりーーー
バフ、歌、踊りともに、準備万端整った。

この戦い、ワタシのみで叩かせてほしい。


ここからの1¥のうちにワタシはLv76に届くであろう。
おちゃらけながらもグラとしての道は決して踏み外さず、

一途にやってきたひとかどの剣士の行く末、しかと見届けよ!




参る!














はああああああああああ!!!


























(ポチッ)











んあ?














































「で、何があったんだ、オイ。」







いや、その・・・
も、餅を食おうとしてナ・・・

間違ってその横に置いてあった経験値スクを叩いてしまったようでナ。



あははは・・・ はあ・・・        スマン。









「これが・・・  純生だ!
おう、お前ら、見ておけ!
これが純生なのだ、さあ、ジト目でよく見ておけ!このザマを!!」



「・・・・・」


「・・・・・・」








み、み、み、見ないでぇぇぇぇぇぇ!!!!


















2019年8月16日(金)AM11:43
リネ2生涯初のLv76は、あろうことか経験値スクの誤クリックで達成されたのだった。












何はともあれ、おめでとう、純生!
さあ、3次転職を楽しんで来い!
















と言いたいところですが・・・
各所の秘伝のタブレットと交感する旅を経るあの「3次転職クエ」はすでに廃止されている、とのことでした。
現在は、SVか悪魔の島のどちらかで700体狩ってくれば、それで終わるんだそうな。





「あの頃のリネ」がやりたくてリネ2クラシックの門を叩いたワタシですが、「あの頃の3次転クエ」にはついに間に合いませんでした。


そこはかとなく、悲しみが身を貫いていきます・・・
一度ぐらいはやってみたかったです・・・




















「・・・で我らも一緒に叩くのですね」


「ああ!!その方が早くていいだろ!」


「我々Lv60なので、経験値も入らないのですが・・・」


「うっせ、黙れ! さくさく叩け!!!」

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